・はじめに
こんにちは。ざんくらです。このたび「Summer Pockets」、メインシナリオプレイしまして。その感想記事になります。サマポケってなんぞや?みたいな前置き説明は省きますね。プレイした人向け感想記事になりますので、ストーリー説明や概要なんかも省きます。ネタバレをがっつり含むので、未プレイのかたはここで読むのをやめて、今すぐ密林でサマーポケッツをぽちりにいきましょう。
はい。という訳で。以下本文。
△筆者のサマポケ感想を代弁してくれるしろはさん
・全体を通して
「眩しさだけは、忘れなかった。」、ということで。
全体的なテーマでもあった「夏休みの過ごし方」という構成が、筆者にぶっ刺さりました。本当に何も知らずにプレイ開始したので、「そもそもどんなゲームなんですか?」くらいの気持ちで開始。
舞台や物語の大筋、また序盤共通ルートで入る「卓球ミニゲーム」「島モン」という要素から、段々と「夏休みの過ごし方」という主題が見えてきて、なるほど、と思いました。「そうそう、昔はそうだったなぁ」っていう思い出と、「こういう夏休みを過ごしたかった」っていう理想が入り混じった世界観で。本当にいろいろと懐かしみつつ、ほんわかとしつつ、プレイしていました。
特に自分は、小さいころ友達と竹の棒でチャンバラしてたみたいなド田舎幼少期を過ごしてたので、「島」という田舎的舞台要素にも共感する部分も多かったです。
ストーリーとしてもいわゆるどんでん返し、あっと驚くような展開、きれいな伏線の設定がよくできていて、楽しめました。
個人的に一番やられた伏線は「風呂が壊れて銭湯に。風呂上がりの羽未としろはを間違えて、羽依里が「何で間違えたんだ...?」と疑問に思う」シーンです。
△該当シーン
作品の構成上、あのシーンは何度も見ることになったんですが、最後にしろはルートをとったこともあって、ずっと「このシーンだけは意味がよくわからないんだよな...しろはと羽未が遠い親戚...とか?」って思ってました。あながち間違いでもなかったわけですが。
あともう一つ、2シナリオ後(?)羽未ちゃんがチャーハンを作れなくなる展開。あれは単に「繰り返すシナリオを飽きさせないようにするための配慮」だと思って、そういう意味で「よくできてるなぁ」と感心していたんですが。
まさかの伏線でしたね。なるほど。
△伏線でこんな気持ちになった
ここから各ルート感想にはいります。筆者のプレイした順。
・久島鴎 シナリオ
△鴎。かわいい。
最初にプレイしたシナリオにして、4人のなかで最も好きなシナリオです。ルートに入るための「鍵探し」、そしてそのあとの「洞窟探検」という冒険要素。純粋に「子供のころの冒険心」をくすぐられつづけるシナリオでもう、本当にワクワクしながら読み進めていました。
「いったい何があるんだろう」「どんな展開が待っているんだろう」「鴎が昔一緒に冒険していた仲間って誰なんだろう」、興味と疑問が尽きません。
その興味の中でやっぱり一番強いのが、「このひとは何者なんだ」という鴎の正体の謎。物語終盤まで明かされないワクワク感。文章の端々から読み取れる、鴎の微妙な不思議感。スーツケースを持つ本当の意味。最終的な、ストーリーのミスリード。
久島鴎というキャラクター単体で見てもとても好きで。そのうえで、ありがちな「恋人」的関係に直結せず、純粋な「冒険仲間」からはじまる話だったのが個人的に良かったです。一緒に鍵探しを手伝って、冒険をして、その先に出てくる感情。みたいなアレ。
蒼や(若干紬も)シナリオで感じた「好き合う理由薄過ぎない?」という違和感が全くありませんでした。というかたぶん、はじめに鴎シナリオをプレイしたせいで上述2ルートに違和感を感じてしまったのかもしれません。ってくらいほんとにすき。
物語の展開も、「羽衣里が昔この島に来たことがある」のではなく、「絵本のストーリーをなぞる」というかたち。羽未側シナリオの「ループ」を逆に利用して、ミスリードを誘ってきます。このどんでん返しが本当に好きでした。他にも、スーツケースの中身を疑問視したり、絵本の登場人物の名前が「タカ」であったりと、本当にミスリードが強かったです。好き。
最後に、各シナリオごとのお気に入りのシーン、というのを上げようと思っていたんですが、鴎シナリオはもう全部好きなのでお気に入りシーンは全部です。最初から最後まで全部好きです。はい。しいて言うなら、「冒険要素の強い序盤~中盤」が好きです。範囲広い。
もう本当に、以降のシナリオで鴎ちゃんが出てくるたび悶えて涙が止まらなかったレベルで好きになりました。
Pocketsシナリオの最後、鴎が救われていてよかったです。ご都合主義展開感も否めないので、賛否ありそうですが、僕は本当にうれしかった。
鴎ちゃん、幸せになって。はいりイズいいやつ。
・紬ヴェンダース シナリオ
△紬。かわいい。
特に重い感じもないし、可愛いが詰まった癒しルートかな、と思っていたらとんでもなかったです。「別れの見えている切なさ」が、物語が進むにつれ、倍倍に加速していく、そんなお話でした。4人の中で最も泣いたシナリオ。
むぎゅ〜。とにかくシナリオが終始かわいい。シズクさんも本当にぶっ飛んだキャラで(誉め言葉)、日常パートのほんかわ感が本当に好きでした。
△ふわふわおっぱい体操。
シリアス展開のほうもとても良くて(語彙力不足)、一つシーンを上げると、紬が一度神隠しに会ってから帰ってくる展開(羽依里が同時に神隠しに会ってツムギに会う展開と同時進行)。あれはつまり、「羽依里とシズクとの夏休みを終わらせたくない紬の気持ち」が紬をあの場所へ幽閉し、それでも「別れがあるとしても、残りの時間を羽依里と静久と一緒に過ごしたい」という気持ちがあったからこそ、帰ってこれたんだと僕は勝手に解釈しました。
紬...ありがとうな...
あとこれはほんとうに申し訳ないんですけど、しぬほど感動しているシーンで歌詞に「むぎゅぎゅぎゅぎゅ~♪」ってぶち込んでくるのだけは勘弁してほしかったです。めちゃくちゃに感動してるのにちょっと笑いかけました。紬らしいっちゃあそうかもなんですけどね。最後は笑ってお別れを、っていう。
あと本筋とはあまり関係ないんですが、紬としろはの関係がめちゃくちゃすきです。スイカバーさんとわたあめさん。番外編とかがあるなら二人の絡みをもっと見たいです。
Pocketsシナリオの最後、あれは紬なのか、ツムギなのか、ちょっとわからなかったです。またじっくり、あとで読み返してかみ砕こうと思います。
むぎゅ~。死ぬほどかわいい。(結論)
・空門蒼 シナリオ
△蒼。かわいい。
シナリオ的には一番評価低め。残念ながら、唯一泣かなかったシナリオでした。でも、いちばんキャラクターを好きになれたシナリオ。
「眠ってしまった藍を起こすために、藍の記憶を持つ七影蝶を探す蒼」という筋。シナリオにも大きなどんでん返しはなく、順当な流れで話が進んでいきます。常に眠い理由、というのもそのあたりが関係してくるようで。
おそらく、鴎がこの島に来ることができたのも、この七影蝶が関係していたのでしょう。そのあたり、全体の「場所の特別性」が明らかになる話。
本編、なにより、「蒼の藍に対する気持ち」と最後に「それに応える藍」、「それを助ける羽依里」、という構図が良かったです。藍が眠ってからも懸命に話しかけ続ける蒼、それに反応して微笑む藍。テンプレと言ってしまえばそれまでですが、関係性からキャラの感情が強く出るシナリオで、。
藍が起きてから、藍と蒼と羽依里の掛け合いがとても良くて、藍が起きてからの軽快なやり取りがこのシナリオで1番好きなシーンです
ただ、直ぐに蒼が眠ってしまうのでその絡みのシーンがかなり少ないんですよね。
藍のキャラであるところの「とあるキャラに強い愛情を抱いている」関係性がすごい好きで、(アトリエでいうリアーネ→フィリス、今期だと「うちのメイドがウザすぎる」のつばめ→ミーシャみたいな関係性)もっともっとその掛け合い、藍の蒼溺愛っぷりを見たかったという、そういう点では少し不満、というか、「もっと見せてよ(手足バタバタ」みたいな駄々をこねたくなります。
Pocketsシナリオも綺麗な終わり方でした。文章上だけで示される「藍の回復」。ああいう、そっと提示される幸せ、大好きです
結局イナリは何だったんだ?ってとこがまだよくわかってないんですが...。読み残してるかもしれませんね。
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以下、しばらく記事を書く時間が取れなかったため、メモをもとにした、簡単な記述のみになります(スクショがない)。本当は書きたいことがもっとたくさんあるのですが.....もうプレイしてから結構経ってしまっているので、あいまいになるのもよくないですから。
またどこかで時間を見つけて、島モンや卓球を極めに、鳥白島に遊びに行こうと思うので、その時に振り返りつつ、加筆しようと思います。サマポケさいこう!
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・鳴瀬しろはシナリオ
綺麗なシナリオだった。以上!
本当にこのシナリオに関しては言及することはなさそうです。良い意味で。
今思えば、共通ルート序盤の羽依里と羽未ちゃんの歓迎会。「歓迎会でしろはがこれなかった理由」というのは、場所が食堂だったからというのもあるかもしれませんね。
あれ?結局ハッピーセットの食堂のおっちゃんってなにものだったんだっけ?とかおもっております。
後半のシナリオへの布石ルートということで。
最後の締め方もほんとに綺麗で、これで終わりか、いいゲームだった...なんて思ってたら、あのホーム画面になるわけです。
・ALKA シナリオ
正直「島モンを進めたらうみちゃんルートに入る」「うみちゃんルートはサブシナリオ」だと思っていたので心臓破壊されました。そもそもタイトル画面で死ぬかと思った。いや、察してはいたけど、まだシナリオあるのか、と。
最初にも触れましたが、ループを繰り返すごと料理が下手になるうみちゃん、単に「繰り返しを飽きさせないための工夫」かと思ってたら伏線だったのは本当に驚きました。
最初は逆に「うみちゃんがリーディングシュタイナー(ループ後記憶保持者)」で、「回数を重ねて知識を得ていった結果が、チャーハンが上手く作れるうみちゃん」で、「チャーハンが作れなくなったのは、まだチャーハンの作り方を学ぶループを行う前だから」とか考えてもいました。ループ世界を逆行していく感じかな、と。
本当に色々な伏線が飛び出たシナリオで。「実は時系列的に過去である(うみちゃんの年代がいわゆる現代)というのも本当に気がつきませんでした。島を用いた舞台トリック。MDのくだりですね。
徐々に記憶が抜け落ち、幼くなっていくうみちゃん。お母さん役を引き受けたしろはと羽依里。実年齢は違えど、「親子の振る舞い」が再現されているんだなと思うと、本当に涙が止まりませんでした。あの構図は本当に強くて、「ありえなかった家族のつながり」が、うみちゃんの副作用によるものとはいえ、生まれて。
よくできているなと、思いました。
何度もうみちゃんを忘れてしまう2人、不安と悲しみは加速して、最後の花火シーンに繋がります。
「おはよう」の一言を言うために。
物語は 、悲しく、幕を引きました。
・Pockets シナリオ
いや、まだあるんですか!?!?!?って。タイトル画面で死にました。
記憶を失った七海。それはしろはの母に導かれ過去にたどり着いた羽未ちゃんで。羽未ちゃんはしろはが「過去に戻る力」を発現させないよう、奔走します。
この島で島民がチャーハンに強い執着を持っていた理由は七海にあったようで。そのあたりもよくできています。序盤からのくだりがここまで絡んでくるとは...。
「おはよう」のくだりは、もう語る必要はないと思います。最後、あのシーンは本当に、比喩でもなく、涙で画面が見えませんでした。感動でここまで涙って出るんだな、って。自分でも驚いたくらいです。
ストーリー、について。おそらく、しろはのお母さんは「しろはが過去に戻らないようあの夏を何度も繰り返した」んでしょう。それでもしろはのお母さんでは無理だった。だから、他の可能性に掛けて「うみちゃんの手助けをした」んでしょう。推測ですが。
そのときに鏡子さんはしろはのお母さんから話を聞いていたんだと思います。だからうみちゃんを受け入れた。そしておそらく、羽依里を呼んだことにもかかわってるかもしれません。
最後のハッピーエンド、悪く言えばご都合主義のお気楽シナリオですが、僕は好きです。鴎ちゃん、来年は「ひげ猫団」上手くいくといいですね。紬は、ずっと笑顔でむぎゅむぎゅいっていてほしいし、蒼と藍は無限に仲良くしていてほしいです。
通して、ハッピーエンドが「嬉しい」とまで感情移入できた作品は初めてでした。
感想は以上になります。ありがとう、あるすさん(サマポケプレイを勧めてくれた)。そして、ありがとう、サマポケ。
ざんくらでした。 (/・ω・)/